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 競馬の連敗記録というと、’03年頃に話題となったハルウララ(113戦0勝)を思い浮かべる人も多いはず。でも、現時点での最多連敗記録ホルダーは、マイネアトリーチェという牝馬。この馬が’05年10月~’12年7月にかけて192連敗を記録した。
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パカパカファームの代表馬と言えば、2007年のNHKマイルカップを制したピンクカメオと、2012年の日本ダービー馬ディープブリランテ。今後この連載では、牧場の名を一躍有名にした後者、ディープブリランテの詳細な足跡をたどっていくが、その前に今回は「番外編」として、上記2頭のGI馬以外の活躍馬をピックアップ。なかでも、牧場長ハリー・スウィーニィ氏の心の中に今なお残っているという、パカパカファームの功労馬たちを紹介しよう。
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 2001年の開場以来、毎年10~20頭のサラブレッドを生産してきたパカパカファーム。開場7年目には初のGIタイトル(ピンクカメオ/2007年NHKマイルカップ)を手にして、12年目(2012年)には早くも日本ダービー馬(ディープブリランテ)を輩出した。新興の競走馬生産牧場としては、異例のスピードで発展してきたと言えるだろう。


 そんなパカパカファームの活躍馬と言えば、前述のGIホース2頭が有名だが、牧場長のハリー・スウィーニィ氏は、「それ以外にも多くの馬が牧場の発展に貢献してくれた」と語る。

「2頭のGI馬や、その母馬以外にも、パカパカファームの歴史において忘れられない馬はたくさんいます。いずれは、そういった馬たちの銅像を牧場内に建てて、ここを訪れた人たちがひと目で牧場の歴史をわかるようにしたい。今はそんなプランを練っています」

 現在、パカパカファームの拠点となっている厚賀分場の事務所は、公道から真っ直ぐ伸びた路地を入ったところにある。

スウィーニィ氏は、その路地の両側にずらりと功労馬たちの銅像が並んだ光景を思い描いているようだ。実際、すでに何頭かの銅像は購入済みだという。

 さて、スウィーニィ氏が銅像まで作って懐かしむ功労馬とは、いったいどのような馬たちなのだろうか。真っ先に名前が挙がったのは、2006年にパカパカファームで生産された牝馬のアンペアだ。

 母は、アメリカ産のフリーフォーギブン。同馬の兄には、重賞4勝のアメリカンボス(2001年有馬記念2着)がおり、その血統から「日本への適性」を期待されてパカパカファームにやってきた。彼女と、2004年から日本で繋養されているアメリカ産種牡馬のワイルドラッシュとの間に生まれたのが、アンペアだった。

 それなりの血統背景を持ちながら、同馬の評価は必ずしも高くなかった。競走馬のセリ市『北海道セレクションセール』に上場されたが、アンペアの落札価格は735万円。同年の最高落札価格(4200万円)の、およそ6分の1という価格だった。

 そして、アンペアは中央競馬(JRA)ではなく、地方競馬のホッカイドウ競馬に所属。2008年6月から現役生活をスタートさせた。

 衝撃的だったのは、デビュー戦だ。ダート1000mのレースで、2着を1.9秒も引き離す圧勝劇を演じたのだ。以来、2歳馬のオープンレースで奮闘し、10月にはGIIIのエーデルワイス賞(旭川競馬場・ダート1600m)で1番人気に応えて快勝。

このときも、2着に1.3秒差をつける勝利だった。

 さらに、3歳になってからはGIIの関東オークス(川崎競馬場・ダート2100m)に出走。全国の地方競馬で活躍する有力馬をはじめ、JRAの強豪馬も顔をそろえる中、3着という好成績を残した。その後、古馬になってからもコンスタントに活躍し、アンペアは引退までに4038万円の賞金を獲得した。

「アンペアのように、決して高くない価格で取引された馬の中から活躍馬が出ることは、牧場の評価を高めるうえで非常に重要です」

 そう語るスウィーニィ氏は、アンペアの活躍ぶりを思い出して目を細めた。

 重賞のタイトル奪取とまではいかなかったものの、あと一歩まで迫った馬たちはたくさんいる。その代表は、牝馬のカウアイレーンだ。

 アンペアと同じ2006年生まれのカウアイレーン(母シルバーレーン)は、兄にGI2勝のブラックホーク(父ヌレイエフ)、姉にピンクカメオ(父フレンチデピュティ)がいる、いわば"良血"。父親が、鳴り物入りで種牡馬デビューを飾ったキングカメハメハということで、牧場の期待はかなり高かったという。

「ピンクカメオの父親は、ダートで活躍する産駒を多く輩出していたフレンチデピュティ。対してカウアイレーンの父親は、NHKマイルカップと日本ダービーという、芝のGIを2勝したキングカメハメハ。その分、姉よりもさらにスピード豊かな馬に成長すると感じていました。

セリ市に出す前から、この馬の将来が非常に楽しみでしたね」

 そして、カウアイレーンは、2006年のセレクトセールに上場され、3675万円で落札された。落札したのは、日本の競馬をけん引する社台グループ(※購買者は、社台ファーム代表・吉田照哉氏の妻、吉田千津氏)。日本を代表する大牧場が、カウアイレーンの素質を評価し落札してくれたことで、スウィーニィ氏は「ますますデビューが楽しみになった」という。

 その期待にカウアイレーンは応えた。2008年にデビューし、2011年まで現役生活を送って、18戦5勝の成績を残した。4歳時には、GIIIのクイーンS(札幌・芝1800m)で勝ち馬からわずかコンマ2秒差の3着と健闘。オープンのターコイズS(中山・芝1600m)では、重賞でも活躍する面々を抑えて快勝し、生涯獲得賞金は8019万6000円に達した。

 2005年に生まれた牡馬ドラゴンファングも、重賞戦線で活躍した1頭だ。3歳春にデビューし、その秋に本格化すると、3連勝で一気にオープンクラスへ昇格。4歳になって重賞初挑戦となった2009年のGIII阪急杯(阪神・芝1400m)では、武豊騎手を背にして3着入線を果たした。

 その後も、GII阪神カップ(阪神・芝1400m)、GIII函館スプリントS(函館・芝1200m)といった重賞レースで4着という好走。生涯獲得賞金は、1億218万8000円に上った。

 ドラゴンファングの父はタイキシャトル、母はタイキメビウス。ともにスウィーニィ氏が来日直後に過ごした大樹ファームゆかりの血統である。また、ドラゴンファングを管理していたのは、のちにディープブリランテを預かる矢作芳人調教師。ドラゴンファングは、さまざまな縁が絡んだ一頭と言えるかもしれない。

 ここで挙げた馬以外にも、パカパカファームの発展に貢献した馬たちは数多くいる。その馬たちの存在があるからこそ、今の繁栄があると言っても過言ではない。GIを制した名馬とともに、これらの馬たちもパカパカファームの歴史の中で語り継がれていくのだろう。

ハリー・スウィーニィ


1961年、アイルランド生まれ。獣医師としてヨーロッパの牧場や厩舎で働くと、1990年に来日。『大樹ファーム』の場長、『待兼牧場』の総支配人を歴任。その後、2001年に『パカパカファーム』を設立。2012年には生産馬のディープブリランテが日本ダービーを制した。
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