直木賞作家・伊集院静の自伝的小説をドラマ化したスペシャルドラマ「いねむり先生」(テレビ朝日系、15日夜9時~)で、直木賞作家で“ギャンブルの神
様”と称された阿佐田哲也(色川武大)を演じる。共演者や制作スタッフから「体形からファッションまで、ほぼ完璧に役になりきっていただいた」と言わしめ
た、徹底した役作りは見どころのひとつ。そんな「日本のロバート・デ・ニーロ」は酒に関しても役柄との共通点を感じていた――。
「若い頃は、酔って議論したりするのが楽しくて、浴びるように飲んでいました。ある時、飲み過ぎて倒れかけてしまい、先輩俳優に『そんなのはロクな飲み方 じゃない! 吐くなら飲むな。酒がもったいないだろ!』と一喝され、酒とは“いい付き合い方”ができるようになったんです」
前述の通り「いねむり先生」は、伊集院静の自伝的小説を初めてドラマ化したもの。最愛の妻を失い、人生に絶望し酒と幻覚に悩まされていたサブロー(藤原 竜也)が、直木賞作家でギャンブルの神様といわれたがナルコレプシーという奇病を患っている先生(西田敏行)と出会い、「旅打ち」を通じて互いに再生して いく感動の物語だ。そんな「いねむり先生」の地方ロケでは、「いい酒の飲み方」ができたと言う。
「心の闇を扱う重めのドラマではありますが、旅打ちで全国を転々とするロードムービーですから、おいしいものと酒はテーマのひとつでした。実際にロケ先で 地酒を飲みながら監督や藤原君と作品や人生について語り合いました。最近はすぐカラオケで大音量、語り合うのが難しくなってきたからなおさら、そうやって 酒を飲んで語るっていいなと思います」
<ロケ地で地酒を飲むのが何よりの楽しみ>
酒はコミュニケーションの「力」を与えてくれると考えているという。
「30歳も年の離れたオヤジの意見なんて聞いてくれないだろうなって思っていたから、初めのうちは藤原君も僕も寡黙に飲んでいたんです。でも、話さないと 場が持たなくなってきて、僕がオヤジギャグを連発したら、藤原君はそれに乗ってくれてね。なんかうれしかったですね~。僕らオヤジ側にも近づけるキャパシ ティーの広い人なんだろうなって思いましたね。同世代かそれ以上の人と話している気がした瞬間もありました。そういうことがあるから、酒っていいなって思 うんですよ」
ロケ中の一番の思い出はラストシーンに出てくる棚田での月見酒。ドラマではこの棚田のシーンが「再生」の直接的なきっかけとなる。作品テーマの「人は、人によって救われる」がはっきりと表れる重要なシーンだ。
「古代人みたいな酒の飲み方なんて普通できませんよ。もう夢のような世界での、夢のような体験でした」
酒の力以外にも不思議な力に襲われたという。
「実はね、この作品で阿佐田哲也さんを演じていて、昼間なのにあらがいようのない睡魔に襲われ続けたんです。『俺、ナルコレプシー?』なんて思うほどで、 阿佐田さんが僕に降りてきたのかと思った。それから藤原君に誘われて、ロケ中に宝塚記念の馬券を買ったんです。敏行の『ト・シ』で『10―4』を勝ったら 大当たりしましてね。ギャンブルの神様でも降りてきてくれたのかな、なんて(笑い)」
10年前、心筋梗塞に襲われて以来、医者には飲み過ぎないように言われているという。
「でも、ロケ先でその地方の地酒を飲んで、飲み屋の主人や女将と話していると、その地域の人々の思いを聞くことができる。地酒についてのうんちくを聞けば その地を知ることになる。勉強でもあり、癒やしでもある。今回の『いねむり先生』のロケ中にはハイボール発祥のバーってのに行って飲んだんです。バーテン さんのハイボールに対する思いや自信を聞いてね。それがまたいい話なんですよ――」
ただでさえ楽しそうでうれしそうな顔が、酒のことを語る時にはさらに幸せそうになる。「いねむり先生」でもそんな顔をする瞬間があるので、お見逃しなく。
「若い頃は、酔って議論したりするのが楽しくて、浴びるように飲んでいました。ある時、飲み過ぎて倒れかけてしまい、先輩俳優に『そんなのはロクな飲み方 じゃない! 吐くなら飲むな。酒がもったいないだろ!』と一喝され、酒とは“いい付き合い方”ができるようになったんです」
前述の通り「いねむり先生」は、伊集院静の自伝的小説を初めてドラマ化したもの。最愛の妻を失い、人生に絶望し酒と幻覚に悩まされていたサブロー(藤原 竜也)が、直木賞作家でギャンブルの神様といわれたがナルコレプシーという奇病を患っている先生(西田敏行)と出会い、「旅打ち」を通じて互いに再生して いく感動の物語だ。そんな「いねむり先生」の地方ロケでは、「いい酒の飲み方」ができたと言う。
「心の闇を扱う重めのドラマではありますが、旅打ちで全国を転々とするロードムービーですから、おいしいものと酒はテーマのひとつでした。実際にロケ先で 地酒を飲みながら監督や藤原君と作品や人生について語り合いました。最近はすぐカラオケで大音量、語り合うのが難しくなってきたからなおさら、そうやって 酒を飲んで語るっていいなと思います」
<ロケ地で地酒を飲むのが何よりの楽しみ>
酒はコミュニケーションの「力」を与えてくれると考えているという。
「30歳も年の離れたオヤジの意見なんて聞いてくれないだろうなって思っていたから、初めのうちは藤原君も僕も寡黙に飲んでいたんです。でも、話さないと 場が持たなくなってきて、僕がオヤジギャグを連発したら、藤原君はそれに乗ってくれてね。なんかうれしかったですね~。僕らオヤジ側にも近づけるキャパシ ティーの広い人なんだろうなって思いましたね。同世代かそれ以上の人と話している気がした瞬間もありました。そういうことがあるから、酒っていいなって思 うんですよ」
ロケ中の一番の思い出はラストシーンに出てくる棚田での月見酒。ドラマではこの棚田のシーンが「再生」の直接的なきっかけとなる。作品テーマの「人は、人によって救われる」がはっきりと表れる重要なシーンだ。
「古代人みたいな酒の飲み方なんて普通できませんよ。もう夢のような世界での、夢のような体験でした」
酒の力以外にも不思議な力に襲われたという。
「実はね、この作品で阿佐田哲也さんを演じていて、昼間なのにあらがいようのない睡魔に襲われ続けたんです。『俺、ナルコレプシー?』なんて思うほどで、 阿佐田さんが僕に降りてきたのかと思った。それから藤原君に誘われて、ロケ中に宝塚記念の馬券を買ったんです。敏行の『ト・シ』で『10―4』を勝ったら 大当たりしましてね。ギャンブルの神様でも降りてきてくれたのかな、なんて(笑い)」
10年前、心筋梗塞に襲われて以来、医者には飲み過ぎないように言われているという。
「でも、ロケ先でその地方の地酒を飲んで、飲み屋の主人や女将と話していると、その地域の人々の思いを聞くことができる。地酒についてのうんちくを聞けば その地を知ることになる。勉強でもあり、癒やしでもある。今回の『いねむり先生』のロケ中にはハイボール発祥のバーってのに行って飲んだんです。バーテン さんのハイボールに対する思いや自信を聞いてね。それがまたいい話なんですよ――」
ただでさえ楽しそうでうれしそうな顔が、酒のことを語る時にはさらに幸せそうになる。「いねむり先生」でもそんな顔をする瞬間があるので、お見逃しなく。